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資産5億円生活者の割合や悩みとは?解決策についても解説


野村総合研究所の調査では、日本の純金融資産保有額が5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義しています。

純金融資産5億円以上を保有していて、資産の心配はなさそうですよね。しかし、やはり超富裕層には超富裕層なりの悩みがあります。

この記事では超富裕層の悩みと具体的な解決策について解説します。

 

資産5億円生活者の割合と推移

日本に資産5億円生活者はどれくらいいるのでしょうか。ここでは日本の超富裕層の割合について解説するとともに、近年の超富裕層とその資産額の推移について紹介していきます。

 

資産5億円生活者の割合

 

(画像引用:野村総合研究所(NRI):https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1

 

 

野村総合研究所の調査では、「純金融資産保有額」が5億円以上の世帯を超富裕層に分類しています。純金融資産保有額とは、預貯金や株式、債券、投資信託、各種保険、年金などの世帯が保有する金融資産から負債を差し引いたものです。

一般的に「お金持ち」といわれる純金融資産保有額1億円以上の富裕層と超富裕層は132万世帯で全体の約2%となっています。その中でも、純金融資産保有額5億円以上の超富裕層は8万世帯で約0.1%です。

保有資産規模という観点からみれば、富裕層以上の資産規模が330兆円で全体の約20%を占めています。さらに超富裕層に絞れば資産規模は97兆円、全体の約6%です。

超富裕層の世帯数が0.1%にも関わらず、資産規模が全体の6%に及んでいることから、1世帯あたりの純金融資産保有額の大きさが窺えます。

 

資産5億円生活者数と資産額の推移

ここでは近年の資産5億円生活者数と資産額の推移を、他の層と比較しながら解説していきます。

 

(画像引用:野村総合研究所(NRI):https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1

 

直近の2017年から2019年にかけて、純金融資産保有額5億円以上の超富裕層は増加傾向にあります。資産額も同様です。ただし、世帯数が3,000世帯しか増えていないのに純金融資産保有額は13兆円に増えています。このことから、1世帯あたりの純金融資産保有額が大幅に増加したことがうかがえます。

純金融資産保有額3,000万円以下の「マス層」との比較もしてみましょう。

マス層は直近の調査では世帯数が12万世帯増加しましたが、資産規模は17兆円も減少しています。これは1世帯あたりの純金融資産保有額が大幅に少なくなったことを表しています。

これらのことから、超富裕層とマス層の経済的格差が拡大傾向にあるといえるでしょう。

 

 

 資産5億円生活の悩み

ここでは資産5億円生活を送っている方の資産に関する悩みについて解説します。

 

相続問題

日本に限らず、世界中の富裕層が文字どおり「死ぬまで」頭を悩ませているのが相続問題。

資産をどのように相続するかで家族間や親族間で対立が起きることも。自分で築き上げてきた資産がもとで家族や親族の関係が悪化するのはとても悲しく、やり切れないですよね。

そうならないために、自身が生きているうちにさまざまな手段を使って、円満な相続ができるよう取り図る必要があるのです。

 

富裕層への増税政策

政府が行う増税といえば、消費税のように全国民が関係するというイメージが強いでしょう。

しかし、実は富裕層への増税対策が行われていることもあるのです。近年では基礎控除がそれにあたります。基礎控除とは所得控除の一種で、以前は所得額に関係なく一律で38万円が控除されていました。

しかし、2020年より基礎控除額や基礎控除が適用される上限額が変更されました。

 

出典:No.1199 基礎控除|国税庁

 

合計所得2,400万円以下の方の控除額が10万円増額され、2,500万円超の方は基礎控除の適用外となりました。

日本は累進課税制度を採用しており、高所得者が多く納税することで低所得者との納税の公平化を図っています。累進課税制度によって、富裕層の手元に残る金額が大幅に減る仕組みです。

このまま超富裕層とマス層の経済的格差が広がるようであれば、富裕層以上への課税が強化される日が来るかもしれません。

 

 

健康問題

お金持ちといえば、健康なんて気にせず贅沢三昧な生活を送っていそうですよね。そんな方も確かに多いですが、それと同じくらい健康に意識を向けている方も多いです。むしろ、これまで莫大な資産を築き上げてきた超富裕層だからこそ健康の大切さを痛感しているでしょう。超富裕層にとっては健康も大切な「資産」です。

健康状態が悪くなることのデメリットは実際にかなり大きいです。仕事のパフォーマンス低下を招いたり、最悪仕事そのものができなくなったりということにもなりかねません。それだけではありません。大きな病気ともなればその治療費も高額になります。まさに「百害あって一利なし」です。

富裕層の方はそれをわかっているので、健康第一の食事や人間ドックに通って早期発見に努めるのです。

 

 

資産5億円生活者の相続対策

 

資産5億円生活者の最大の悩みである「相続問題」。ここでは資産5億円生活者の具体的な相続対策について解説します。

 

不動産投資で節税

相続税の節税対策として、不動産投資が最適です。不動産は預貯金などの資産に比べて「相続税評価額」が低く設定されており、相続税を抑えることができます。

相続税評価額とは、相続税や贈与税を計算するときに用いられる基準です。現金や不動産、株式など対象となる資産によって評価額が変動します。相続対策においてこの相続税評価額は大きなポイントです。

預貯金のような現金資産を5億円保有している場合、相続税評価額もそのまま5億円となるため、納税額もそれに応じた金額となります。一方、不動産であれば5億円の土地を保有している場合、相続税評価額は8割の4億円となります。また、その土地を第三者に貸し出しているとさらに8割に減額され、3.2億円に。

このように現金資産と不動産では相続税に大きな差が出てくるため、不動産投資は相続対策としてはかなり効果的でおすすめです。

ただし、不動産投資は物件探しや手続き、後述する財産目録の作成などかなりの時間を要するもの。早め早めの対策を取ることをおすすめします。

 

財産目録を作成

財産目録とは自身の現預金や有価証券、不動産など全ての財産を把握して一覧化したものです。ここで大事なのは、財産だけでなく負債も記録することと、全ての財産を漏れなく記載することです。

財産目録を作成すれば、相続人による相続に関する話し合いがスムーズになります。全ての財産の価値がわかっていれば、遺産の分割がしやすくなり、のちのトラブルを防げます。

さらに、自身の遺書作成も作りやすくなったり、相続税申告書に添付できたりとメリットがたくさんあります。自身の財産を把握できれば、気持ちの整理にもなりそうですね。

財産目録を作る際は「漏れなく」記載するのがとにかく大事です。せっかく財産目録が完成したとしても、あとから他の財産が出てくればそれが原因で相続人同士のトラブルに発展しかねません。

財産目録作成は財産が多ければ多いほど、手間と時間を要します。さらに、不動産は評価額の計算も複雑です。それでいて確実に「漏れなく」となると難易度がぐっと上がります。

正確な財産目録を作るには、多くの場合弁護士や行政書士に相談されています。

 

法定相続人と事前に話し合い

財産目録が完成すれば、法廷相続人と遺産分割について話し合いましょう。このときしっかり納得いくまで話し合いを行います。ただし、この話し合いには法的拘束力がありません。話し合いをもとに遺書を作成し、法的効力を持たせる必要があるのです。

話し合いの時点で相続人同士のトラブルになるかもしれません。しかし、どれだけ相続人同士で争ったとしても、しっかり納得のいく結論が出れば、当人の死後の争いを防げるのです。

そのため、やはり早めの対策が重要だといえます。

 

まとめ:

ここまで超富裕層と言われる資産5億円生活者について解説してきました。

超富裕層の最大の悩みである相続税対策では、不動産投資や財産目録の作成、法定相続人との話し合いが鍵となります。しかし、そのどれもが時間のかかるものばかりです。トラブルにまで発展することがあれば、さらに多くの時間を要します。

 

全員に納得のいく相続をするためにも、早め早めの対策をしていきましょう。

 

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